私たちの訴え  Sad East Asia

イスラエル問題の解決とはなにか


パレスチナとイスラエルの間の戦争が続いている。和平も次の戦いを準備するための期間に過ぎない。

日本では「パレスチナ問題」と言われる。しかしこれは紛れも無く「イスラエル問題」である。なにしろ、パレスチナ人が住んでいた地域にユダヤ人が入り込んできたのだ。共存している短い期間もあったが、シオニズム、つまりユダヤ国家を作ろうとする連中と、第二次大戦の戦費のためユダヤ人を利用したいイギリス政府の勝手な約束によって、パレスチナの地に「イスラエル国家」を無理矢理作りあげてしまったのだ。これは日本による「満州国」でっちあげと並ぶ強引で暴力的なものであった。

シオニストたちの根拠はヘブライ聖書(旧約聖書のこと。新約、旧約という表現はキリスト教の側の表現。ユダヤ教は”新約”は認めていない)などの教典である。

遙か紀元前1,000年に、この地がユダヤ人のものだったと言うのだ。しかも彼らの唯一の神はこう言った。「あなたの神、主が嗣業として与えられる諸国の民に属する町々で息のある者は、一人も生かしてはならない。ヘト人、カナン人、ペリジ人、ヒビ人、エブス人は、あなたの神、主が命じられたように必ず滅びつくさねばならない」と。(申命記、20章16-17節)

実際に、「イスラエルの神、主が命じられたように、息のあるものをことごとく滅ぼしつくした」(「ヨシュア記」10章28-42節)結果、パレスチナが彼らの地となったのである。こんな恥ずかしいものを根拠にするとは!

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国を失ったユダヤ人は各地に散らばり、少数派として迫害を受け続ける。ペストが流行するすると「ユダヤ人が井戸に毒を入れた」とされて虐殺され、(日本の近代にも同じ事件が起きていたし、ナツィによるホロコーストはちょっと前の出来事だ。

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だから彼らが自分たちを守るために、イスラエルという国家を欲したのはやむを得ない、と考えてはいけない。それは、地球上すべてを国家が専有すべきだという国家主義的思考の枠の中の発想に過ぎない。それは、国家によってひどい目にあった人々が、他の民族に対して同じ国家犯罪を起こすだけなのだ。事実、イスラエル建国に伴う流血は、「申命記」や「ヨシュア記」の記述をそのとおりに再現したかのようである。

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イスラエル問題の解決とは何か。ユダヤ人を迫害してきた側がその責任を引き受けなければならない。彼らは自らの責任から逃れてパレスチナ人にそれを押し付けている。

責任の第一は、歴史的にユダヤ人を圧殺してきたイギリスを始めとするキリスト教徒による国々にある。もちろん、ホロコーストを起こしたドイツ、それに協力していた日本にも責任がある。

イスラエル国家は解散して、パレスチナ人に土地を返還し、イスラエル国民は、それらの責任ある国が新しい国民として引き受ける、これが唯一の解決法だ。

そんな無茶な、と言わないでほしい。だって第二次世界大戦後、その逆のことをやったではないか。つまり、世界各国からユダヤ人がパレスチナに渡って国家を作ったのだ。その逆をやればいいのだ。もちろん国連を中心として世界中の協力のもとで。

そしてユダヤ人のほんとうの使命は、民族差別はもちろん、あらゆる差別のない民主的な国にすることだ。ユダヤ人をはじめ、少数派が圧殺されない国を世界中に作ることである。唯一の神はそう命じるはずだ。3,000年も経てば、神も少しは歴史から学んでいるだろうから。

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