私たちの訴え  Sad East Asia

原発をやめよう  ~中曽根、石原たちこそ日本の侵略者だ


権力者は内政を外交に転化する。つまり国内の独裁、抑圧への不満を外国からの侵略の危機感、さらには戦争によって隠ぺいしようとします。

それは、北朝鮮を除けば第2の国家主義の国である中国も典型で、例えば日本のマスコミは、中国で反日運動が起こるたびに、この理論で説明しようとします。つまり、日本の側の、靖国参拝だの尖閣国有化に問題があるのではなくて、これは中国の国内の矛盾から目をそらせようといているのだ、と。

ところが日本のマスコミは逆の場合にはこれを全く指摘しない。国家主義という点では日本も中国に負けてはいません。国内の問題から国民の目をそらし隠ぺいするために排外主義が露骨に利用されています。

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日本国内の最大の問題とは、原発問題です。原発事故によって多くの原発関連死がもたらされ、膨大な原発難民が生じました。国民の大多数が原発をやめようと考えるに至って、それを推進してきた人達はあわてました。責任を問われるだけではなく、原発のあり方は一般国民なんか犠牲にしてでも金もうけの構造を維持し続けるという日本のあり方の典型だからです。

さらに原発推進論者が中曽根や石原であることでもわかるように、彼らの狙いは効率のいいエネルギー源の確保よりは日本の核武装化にあるのですが、原発をやめればその彼らの国家主義的構想は崩れ去ってしまいます。

そこで石原が持ち込んだ手が「尖閣を東京都が買う」というやり方で、これに中国政府が反発し、ときの野田政権があわてて国有化するというつまらない対応にますます中国政府が反発するということになりました。

この”内政を外交に転化する”というパターンどおりのつまらないやり方に日本のマスコミと日本人は見事に目をくらまされてしまいました。石原は立派だ!

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考えてもみてください。中国政府が尖閣を侵略しようとしている(たしかにその意図がないとはいえないのが現中国共産党政権ですが)と煽っていますが、すでに日本は大変な侵略を受けているのです。

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尖閣という何もない離島ではなくて、福島県の豊かな領土が侵略されているではありませんか。難民が今だに生活に苦しみ、帰郷できなかったり、逆に放射能への不安を抱えながらもほぼ強制的に帰郷させられようとしているのです。

つまり日本の最大の侵略者は、原発を推進してきた中曽根、石原ら、自民党、財界なのです。彼らがその責任追及を恐れて、日本の外部に”侵略者”を設定するには、北朝鮮、中国という国家主義国家が存在することは、うってつけだったのです。

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汚染物質、汚染水の問題も全く解決のメドはありません。それらを再び被災地に押しつけようとする恥知らずを政府はやろうとしています。

原発によって生じた問題は、原発を推進し利権を得ていた者が引き受けるべきです。

汚染物質は、電力を最大に利用してきた東京都が引き受けるべきでしょう。さらに、自民党議員に経団連の役員が、それぞれの立派な邸宅の庭に保存したらどうでしょう。もちろんこれは皮肉ですが、それくらいの責任をとろうという奴はいないのでしょうか。責任を取れないのならきっぱり原発はやめるべきでしょう。

「日本経済のためには原発が必要だ」などと、したり顔で言う人がたくさんいますが、世界の中で、経済の将来性を買われているのは、これだけの犠牲を出しながらら原発を維持する倫理性のない日本ではなくて、原発ゼロをめざすというドイツなどの国々であることは間違いないでしょう。アベノミクスはいまだに”経済成長”の夢からさめたくない人々の幻想に過ぎません。
目を覚まし、幻想を捨てよう。

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