私たちの根拠となるもの  Sad East Asia

国家を相対化、無化するために


想像の共同体「想像の共同体」
ベネディクト・アンダーソン著
(リブロポート)
本体価格 2,000円
「ナショナリズムの起源と流行」という副題がついている。国家は一時的”流行”にすぎないらしい。


「共同幻想論」「共同幻想論」
吉本隆明著
(角川文庫)
本体価格 590円
国家も宗教も「共同幻想」だと喝破!吉本の「生活者」「大衆の原像」という概念も国家を無化するための武器になるはず。


カイエ・ソバージュ・シリーズⅠ~Ⅴ
カイエ・ソバージュ・シリーズⅠ~Ⅴ
Ⅰ「人類最古の哲学」Ⅱ「熊から王へ」Ⅲ「愛と経済のロゴス」Ⅳ「神の発明」Ⅴ「対象性人類学」
中沢新一著
(講談社)
各本体価格 Ⅰ.1,500円 Ⅱ.1600円 Ⅲ.1500円 Ⅳ.1500円 Ⅴ.1700円


「国家に抗する社会」「国家に抗する社会」
ピエール・クラストル著
(水声社)
本体価格 3,500円
著者による他の本も衝撃的。「暴力の考古学」(現代企画室)、さらに南米パラグアイのグアヤキ族のフィールドワーク「グアヤキ年代記」(現代企画室)も必読。


「ゾミア」「ゾミア」
ジェームス・C・スコット著
(みすず書房)
本体価格 6,400円
「脱国家の世界史」との副題。「国家に抗する社会」をアジアに探った著作。


「野生の思考」「野生の思考」
クロード・レビィ・ストロース著
(みすず書房)
本体価格 4,800円
西欧的近代を相対化した重要な文献。最終章では自意識過剰な実存主義のサルトルを論破している。”未開人”の文化に関する内容、共同体のあり方については、思想的旅行エッセイともいうべき「悲しき熱帯」上・下(中央公論社)のほうが参考になろう。なにより読みやすい。なお、私たちの政治党派名「悲しき東アジア」は、この本の題名に由来している。


「全体主義の起原」
「全体主義の起原」
ハンナ・アーレント著
(みすず書房)
本体価格 ①4500円 ②4800円 ③4800円
「反ユダヤ主義」「帝国主義」「全体主義」の3部からなる大著。国家の究極の形ともいうべき全体主義に至る過程を分析。現在の安倍政権下の日本で進行していることと重なる。


新しい「革命」について


「切り取れ、あの祈る手を」「切り取れ、あの祈る手を」
佐々木中著
(河出書房新社)
本体価格 2000円
書くこと、読むこと、文学こそが革命なのだと、ルターとムハンマド(マホメッド)を取りあげた長時間の発言集。
彼には「アナレクタ」というシリーズ本があるが、その中からの必読本を挙げておきたい。「アナレクタ③」の「砕かれた大地に、ひとつの場処を」と「屈辱ではなく恥辱を」。いずれも、2011年3・11の直後に行われた講演録。「アナクレタ④」の「変革へ、この鮮烈なる無力を」これは2011年11月福岡での講演録。


「権力を取らずに世界を変える」「権力を取らずに世界を変える」
ジョン・ホロウェイ著
(同時代社)
本体価格 3000円

「革命ー資本主義に亀裂をいれる」「革命ー資本主義に亀裂をいれる」
ジョン・ホロウェイ著
(河出書房新社)
本体価格 4700円
この2冊は、マルクス主義の側からの全く新しい革命論。資本主義の世界に生きながら、自分の仕事をちゃんとすることが資本主義の価値観を変えることになるのだという主張に一定の共感を覚える。